『るるる 合コン ラプソディ』裏話(後編)


―――散々、『ギアス発動』と『ギアス解除』の応酬が繰り返された後…


ジノ:いやぁ…ルルーシュの殺し文句はどれもこれも完全『ギアス』便りだったねぇ…(ルルーシュ先輩なら…絶対に黙って立っていれば、男女問わずにぞろぞろついてきそうなものだけど…。あ、だから、誰かを口説いた事がないのか…)

ロイ:ヘタレですねぇ…あはぁ…(流石『萌え♪』の権化…)

ルル:堕ちればいいんだ!堕ちれば…(お…俺のプライドが…。何故だ?何故…俺は…スザクみたいに堕とす事が出来ないんだ!)←否、男堕としてどうする???

ジノ:さっ…そろそろ次のステップに行こうよ…(うまくいけば…先輩お持ち帰り♪)

スザ:次の…ステップ???(こいつは一体何を言い出しやがる!)

ジノ:合コンの鉄板ゲームと云えば…『王様ゲーム』!

一同:おおぅ!

ロロ:兄さん…『王様ゲーム』って?(とりあえず、可愛らしく振舞っておかないと…)

ルル:くじなどで、ランダムに決まった『王様』出す命令を参加者が絶対に守らなければいけないと云う…パーティーゲームの一種だ…(ったく…ジノも面倒な事を云いだしてくれる)その起源は古く…1860年にロシアの作家、イワンツルゲーネフが書いた小説『初恋』の中にも同様のゲームが登場している…(流石にここまでは付き合いたくないぞ…このメンバーで…)←流石に身の危険を感じたらしい

ロロ:へぇ…由緒正しいゲームなんだね…(知ってたけど…。でも、兄さんに『王様ゲーム』をやらせるなんて…。こんな野獣しかいないところで…)

ルル:ああ…だが俺はパスする…(俺の中の何かが絶対にやるなと云っている…)

スザ:え?やらないのかい?ルルーシュ…(そうだ…君は参加しちゃいけない!君がこんな危険なゲームをするなんて…)

ルル:これ以上は付き合いきれん!(この上ない本音)

シュナ:ふっ…笑止!(逃がさないよ?ルルーシュ…)

ルル:何!(シュナイゼル!貴様!)←負けず嫌いオーラ全開

シュナ:ルルーシュ…君は…この程度のゲームも出来ないで、世界を手に入れようとしていたのかい?(まぁ、この程度云っておけば大丈夫だろう…。ルルーシュ…私から逃げられるとでも思っているのかい?)

ルル:(カチン!)なんだと…?(こいつ!)

シュナ:ああ…いいんだよ、無理にやらなくて…。どうせ君は…私に勝てない…(これでチェックメイト♪)

ルル:(チーン!)やってやる…(ブチ切れました)

スザ:ルルーシュ?(この腹黒兄貴!余計な事を!)

ルル:やってやろうじゃないか!全力で!『王様ゲーム』!(シュナイゼル!目のもの見せてやる!)

ロイ:あはは…流石シュナイゼル殿下…ルルーシュ君のスイッチの場所を知りつくしていらっしゃる…(もう少し楽しまないと…折角遊びに来たのに…)←多分、このメンツの中で、この火花散っている空間をこれほど素直に楽しんでいるのはこいつだけ…

ルル:ジェレミア!割り箸の準備を!(なんか…微妙に乗せられちゃった気が…)

ジェレ:イエス、ユア・マジェスティ!(おお…殿下がやる気になられているぞ!)←こいつは…ルルーシュの身の危険を理解しているのかどうか…甚だ疑問…

ルル:それでは行くぞ!覚悟はいいか!

ルル以外一同:おおう!

ルル:『王様ゲーム』!せぇのぉ!(もうヤケクソ)

一同:王様だぁれだ?

ロロ:僕だぁ…♪(良かった…こう云う時の勘は…多分、僕はいい筈…。ジノめ…痛い目に遭わせてやる…。これで、枢木スザクも一緒に撃沈してやる!)

一同:ああ…

ロロ:『王様』の命令絶対!(覚悟しろ!枢木スザク!ジノ=ヴァインベルグ!)3番と、6番がカリカリチュッチュゲーム♪

ルル:カ…カリカリ…チュッチュゲーム…だと…(おいこら!ロロ何を言い出しやがる!)

星刻:カリカリチュッチュゲーム?(日本と云う国の文化は良く解らん)

ルル:スティック状のスナック菓子の両端を二人の人間が同時に咥え、食べ進めるゲーム…それが、カリカリチュッチュゲームだ…(ロロ…お前は俺にそんなに恨みがあったのか…)←流石に男しかいない合コンでそんなゲームを命令されりゃ誰でもそう思う

スザ:『王様ゲーム』を知らなかったロロが…なんで『カリカリチュッチュゲーム』を知っているんだ…(くっそ…ルルーシュの前だと云うのに…こいつめ…)

ロイ:タチの悪い…カマトトだね…(彼らの中にも色々複雑な事情があるんだねぇ…)

ロロ:さぁ…3番と6番は誰?(さぁ…誰がどんな面白いショーを見せてくれるのかな…♪)

スザ;3番は…僕だよ…(ロロめ…こいつ…さっさと星刻とくっついて、僕たちの恋路の邪魔をするな!)

シュナ:では…6番は?(ほぅ?枢木卿と誰なのかな…。ルルーシュの前で何をしてくれるのやら…)←既にルルーシュも割り箸くじを引いている事を記憶の外に投げ出している。

ルル:……俺だ…(ロロ…俺にこんな辱めを!俺が負けず嫌いだと知っての狼藉か?)

ロロ:Σって…やっぱなし!今の命令なし!(なんで?なんで兄さんが引いちゃっているのさ!)

ルル・スザ・ロロ以外:王様の命令ぜぇったい!

ロロ:っく…(くそ…なんでこんな事に…)

ルル:カ…カリカリ…チュッチュ…(なんで俺がこんな目に!ロロ!お前も俺を裏切るのか!)

シュナ:まさか…辞退する気ではないだろうね?ルルーシュ…(ああ…この子を苛めるのはなんて楽しく…快感なんだろう…)←既に危ない人

ルル:(ムカッ!)する訳ないでしょう!さぁ…やるぞ!スザク!早くそっちの端っこを咥えろ!(この俺がこんなことでこの男に負けるなど!あり得ん!)←最早、『王様ゲーム』の趣旨から外れて、シュナイゼルとの勝ち負けになっている

スザ:ちょ…ちょ…ちょ…ちょっと待ってよ…ルルーシュ…(まずい!ルルーシュ…完全に我を忘れてるし…。まぁ、いいけどね…。これで『ルルーシュは僕のもの!』宣言できるし…。あ、それでも、焦って困っているふりだけはしないと…)←ルルーシュが絡んでいるとどこまでも腹黒なスザク…

ルル:つべこべ言わずに咥えろと云っているんだ!(←最早引っ込みつかなくなった人)

スザ:だ…だって…そんな乱暴に…あふぐ…☆※◇!?…(ダメだ…これじゃあ…僕のコントロールが効かないぞ…。まぁ、ルルーシュの事だから絶対に先に放す様な事はしないと思うけどね…)←どこで覚えたかは知らないが、演技が上手な人

ロイ:流石はスザク君…いい咥えっぷりです…(後でシュナイゼル殿下がどんな反応を見せるのやら…)

スザ:☆▽※◇*@!$#%…(結構食べちゃったな…ま、いいか、時間短縮…)←ホントにいいのか?それで…

ジノ:う〜〜〜〜ん…何云っているか解んないけれど…頑張れ!スザク!(くっそぉ…羨ましいぜ!スザク!)

ジェレ:殿下…さぁ…反対側を…咥えて下さい…私が支えている間に…(おお…わが君は何事に対しても全力で取り組まれる…。流石、シャルル陛下とマリアンヌ様の御長子…)←おいおい…

ルル:済まない…ジェレミア卿…(俺…なんでこんな事やって、こんな事で礼を云っているんだ?)←少し、冷静さを取り戻したっぽいが…

ジェレ:いえ…これが私の忠義の証し…。忠義のカリカリチュッチュです…(マリアンヌ様…あなた様の御長子は…ここまで立派に成長されました…)←そんな報告を受けても多分、母親としては嬉しくないだろ…

ルル:よく云った…ジェレミア=ゴットバルト…。しかし、俺は負けない…なぜなら…俺は、ルルーシュ=ヴィ=ブリタニアだからだ!(俺は…なんでこんなに気合を入れてこんなゲームをやっているんだ…)←既に自分の置かれている状況を理解したくないらしい…

星刻:…なんだ…この威圧感…(『ゼロ』とは…こんなにお茶目…じゃなくて、親しみやすいキャラクターだったのか…)

ロロ:兄さんの唇から…感じた事のない熱いオーラが出ている…(っく…枢木スザク!これで勝ったと思うなよ!)←既に自分が云った命令だって事は完全にスルー

ルル:ふぁぁぁぁぁぁぁ…

―――目一杯気合を入れてオーラを放出…

星刻:口が…ゆっくりと開いた…(なんなんだ…この意味不明な演出は…)←解らなければ、もう少し、日本の『萌え♪』文化を学びましょうね…

ルル:うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…

―――まだ、オーラ放出中…(と云うか、ルルーシュに踏ん切りがついていないと思われる)

ルル:いざ!がぶっ!

ジノ・ロイ:咥えた!(凄いタメだな…。とりあえず…傍観者になっておこう…。見るだけなら楽しそうだし)

ロロ:兄さんが咥えた!(くっそ…なんで僕は『ギアス』を使わなかったんだ…)

シュナ:それでは…カリカリチュッチュゲーム…スタート…(さぁ…ルルーシュ…私を楽しませておくれ…。勿論、君は私がお持ち帰りする…。ちゃんと『お仕置き』の準備もしてあるからね…)←Σあんた…最初からルルーシュがいる事を想定していたんですか!

―――カリカリカリ…

ロロ:先に…スザクさんが仕掛けた…(枢木スザク…兄さんに変な事をしたら…絶対に許さないからな!)

シュナ:否…ルルーシュも負けてはいない…どうだい?あの唇の動き…(ああ…本当は私だけがこんなルルーシュを堪能したかった…)

星刻:のらりくらり…スナック菓子を解かす様に進んでいる…(『ゼロ』は…こんな下らないゲームでも策略を巡らせ、勝ちに拘るのか…)

ジェレ:あ…あれは…(おお…殿下…きっと、『Cの世界』のシャルル陛下とマリアンヌ様も…その立派なお姿に涙している事でしょう…)←多分、オレンジ君の想っているような涙じゃないと思われるが…

星刻:『ナメナメクジクジ』戦術…天才軍師、諸葛孔明の親書にも記されている兵法の一つだ…(んなわきゃねぇだろ…)

ジェレ:流石は殿下…カリカリチュッチュゲームとは…男の魂の強さが試されるゲーム…悪戯に焦り、突進するだけでは…死に急ぐようなものを…(わが君は…必ず勝たれる!このジェレミア=ゴッドバルトは…信じておりますぞ!)

星刻:確かに今のスザクは…止まれないイボイノシシと同じ…(こんな下らない事に全力で取り組んでいるお前たちも人の事は云えんがな…)

ジノ:否…きっとスザクには…何か策がある筈だ…俺は信じている…あいつはやってくれる男だ!(って、ここでルルーシュ先輩にキスするのはやだけどな…)

ロロ:嗚呼…見て!皆がどうでもいい会話を交わしている間に…(兄さん…兄さん…兄さん…)

星刻:スザクとルルーシュの距離が…(ホントにどうでもいい会話だな…)

シュナ:残り3センチ…(ああ…枢木スザク!私のルルーシュの唇を奪った暁には…私自らが君の頭の上に『フレイヤ』を落として上げよう…)

ロイ:2センチ…(ドキドキ…ワクワク…)

ジェレ:1センチ…(殿下…)

星刻:どっちだ…どっちが先に止まる?(ここまで来ると意外と力が入るものだな…)

―――カリカリカリ…ちぅぅぅぅぅぅ…

一同:Σああ!


―――Innocent Days…


ロロ:にいさぁぁぁぁぁぁん…(頭の中…絶対零度のブリザード)

ルル:スザク…何故…何故止まらなかったぁぁぁぁぁぁ!(みんなして俺を辱めて何が楽しい!)

スザ:そう云う君こそ…僕たち…友達だったんじゃないのか…?(一応こう言っとかないとな…)

―――プルルルルル…(インターフォンの呼び出し)

シュナ:あ、フロントから電話だ…スザク君…出てくれるかな?(この腹黒なボウヤめ…私のルルーシュに!)

ロイ:流石シュナイゼル殿下…このタイミングでスザク君を指名とは…鬼ですね…(明日から…ルルーシュ君…大変そうですけれど…)←この人一通り気づいているらしい…

スザ:はい…あ、時間ですか…否…延長はなしで…(とりあえず、ルルーシュ連れて帰るまで演技は続けないと…)今すぐ…

ルル:待て!スザク!(この恨み…はらさでおくべきか…)

スザ:え?ルルーシュ…(おいおい…ルルーシュ…。ひょっとして、この中で一番ダメージ受けているのって…ルルーシュ???)

ルル:延長だ…(こうなれば…死なばもろとも…全員にこの屈辱を…)

スザ:へ?(おいおい…ルルーシュ…目がイッちゃってる…)

ルル:フハハハハハハハ…甘い鹹いのエンドレスゲーム…この地獄を全員に味わわせてやるまでは…終われん!(そうだ…全てを巻き添えにしなければ…俺の気が済まん!)

スザ:Σええ?ちょっと…そんな事したら…絶対阿鼻叫喚に…(ルルーシュ…それは、ここにいる限り、ルルーシュもその地獄を味わわされる可能性があるって事だよ?)

ルル:いいか!野郎ども!二回線目!行くぞ!

一同:おおう!王様だぁれだ?(ここで…全員がルルーシュと何か出来るチャンスが生まれたのだった…)

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