枢木スザク…アンミラ大作戦


アンナミラーズ(英語: Anna Miller's)は、アメリカ・ペンシルベニア・ダッチスタイルの家庭料理とデザートパイを提供する、日本とアメリカ合衆国ハワイ州で展開されているレストランチェーン。しばしばアンミラと略して呼称される。日本では井村屋製菓株式会社フードサービス事業部が運営しており、同社は「アンナミラーズ」及び「アンミラー」の名称を商標登録している。

ウェイトレスの制服は胸を強調する独特のデザインで人気が高い。漫画・アニメ・ゲーム他の登場人物が、アンナミラーズ制服に似た衣装を着ている事が多々ある。また、この制服人気の高さがコスプレ系飲食店などにも影響を及ぼしたと言われている。
(Wikipediaより引用)

 ミレイ=アッシュフォードは…いつもくだらない事で真剣に悩んでいるが…
今回もまた…はっきり云って、生きる為には何の役にも立たない…
そして、その相談を持ちかけられた側としては迷惑でしかない事を考えていた。
「う〜ん…どうしたらいいのかしら…」
恐らくくだらない事で悩んでいる事は解っているのだが…この上なく真剣だ。
しかも、予算や機材準備の手配などであれば、有能で、ミレイの命令には決して逆らえない副会長がいるので、基本的には悩みの種になどならない。
ミレイが今…悩んでいる事は…
そんな、超優秀な副会長でも解決できない…大きな問題であった…
すっかり冷めてしまった紅茶に目もくれず、ミレイは頭を抱えながらうんうんと悩んでいる。
そこへ…ミレイの幼馴染であり、科学に精通しているニーナ=アインシュタインが入ってきた。
「ミレイちゃん…今度の企画のこの機材の事なんだけど…」
彼女はメカニックに関してはこの学園…と云うよりも、世界中探しても彼女ほどのレベルで話す事が出来る科学者は数えるほどしかいないだろう…
そんな彼女の姿を見て、ミレイは、ぱぁぁぁぁぁ…と明るい笑顔を見せた。
何やら、先ほどから悩んでいる事柄に関して、何か突破口でも見つけたらしい。
「ニーナ…ちょうどよかった…♪ねぇ、ちょっと相談に乗ってくれない?」
ニーナはミレイに対して非常に素直に云う事を聞く、唯一のアッシュフォード学園生徒会のメンバーである。
他のメンツは何かと理由を付けて逃げたがるのだが…
云う事を聞いているニーナの本心は誰も知る事はないが…それでも、ミレイの云う事なら別に気いても構わない…その程度の想いはあるのであろう。
微妙に、ミレイの表情にいやな予感を覚えたニーナだったが…
「なぁに?ミレイちゃん…」
ある意味、恐る恐ると云った感じでニーナがミレイに聞き返す。
そして、ミレイが、今、考えている事をニーナに話すと…
「多分…それはロイド先生の方が上手だと思うけれど…。ロイド先生、人体改造も出来るらしいから…(SE6 『るるる 合コン ラプソディ』より)」
「え?そうなの?ロイド伯爵って、マニアックな事は何でもできるのね…」
ミレイは特段驚いた様子もなく、『ああ、彼ならやりそう…』くらいの感じでニーナと話している。
普通なら…そんな事を頼もうと思うこと自体おかしな考え方とも云えるのだから… ある意味、自然の反応なのかもしれない。
と云うか、アッシュフォード学園の生徒会メンバーでミレイの云う事にいちいち驚愕していたら、やっていられないと云う事も事実である。

 そこで…ニーナとミレイはロイドの元へ行き…相談を持ちかける。 すると…
「ちょっと難しそうだけど…やってみようか…。ルルーシュ殿下なら結構簡単なんだけどねぇ…」
「難しい事に挑戦するのが研究者としての務めだって…ロイド先生…云っているじゃないですか…」
「それに、ロイド伯爵なら…そう云うのをデータとして取って、将来の為にお役にたてる事が出来るでしょう?」
微妙に不穏な空気の中、この三人は非常に和やかに話をしている。
どうやら、今回のターゲットはルルーシュではないようだが…
「それに…いっそルルーシュとセットにしちゃっていいですよ?」
ミレイの爆弾提案により…
「まぁ、面白そうだし、うまく出来ればちゃんと写真撮って、1枚300ブリポンくらいで売れそうだし…。大量に売れれば、もう一台、プリン専用の冷蔵庫が買えるかもしれない…♪」
と…ルルーシュも巻き添え食う事が決定された。
今回の企画は…
『枢木スザクをアンミラで遊べ!』
と云う企画だ。
アンミラ…アンナミラーズレストランのウェイトレスの制服が結構独特で、一部のマニアぁ〜なファンからは絶大な人気を誇るらしいが…
スザクをその衣装の似合う肉体にしようと云う企画だ。
とはいっても、スザクの身体は何と言っても細マッチョ…
服を着ていれば目立たないのだが…
露出の高い衣装ではちょっと…色んな意味で問題が生じてくる場合もある。
ルルーシュのように、男のくせに女らしい身体を持っている者であれば、ある意味、『萌え♪』だけで済みそうなのだが…
ロスカラのスザクのあの、チアリーダーのカッコは…お笑いでなら使えるが、『萌え♪』で使うのはいかがなものかと思われ…
コアなファンであれば、それもありなのだろうが…
それでも、やっぱり、あの童顔の細マッチョのアンミラよりも、あの童顔の『萌え♪』な肉体のアンミラの方が受けがいいだろう。
ロイドとしても、写真を売って冷蔵庫を買いたいと云う野望を持っているのだから…売れる肉体を作らなければ意味がない。(かなりの言い回しだが、実際にその通りなのであえて但し書きを入れない事にする)
「でも、どうやって、あの二人をここまで引きずり込むの?」
ニーナの云う事は尤もだ。
しかし、ロイドはあっけらかんと言い放つ。
「ミレイ君、生徒会室を貸してくれるかい?半永久的に作り変えるものじゃなければ結構簡単にできそうだし…」
ロイドの発言で完全に話が決まった。
翌日、ロイドがアッシュフォード学園の生徒会室へ出向いて行くと…
ミレイから事情を聞いた、リヴァルとシャーリーがルルーシュを拉致し、その旨をカレンがスザクに伝えて、生徒会室に二人が揃ったと云う事だ。
大体、そんな状況の中…こんな形で生徒会室へ監禁され、待ち構えていたのがロイドと云う事で…大抵の事には驚かないスザクも…流石に顔を引き攣らせた。

 ルルーシュとスザクが拉致されて…待っていたのは完全女王様モードのミレイと…その従順なるしもべとなっているロイドとニーナ…
「さぁ…ルルーシュ、スザク…企画の為にその身体を差し出しなさぁぁぁい!安心して…ナナリーの許可は貰っているから…♪」
事情を聞かされているだけにスザクも今回ばかりは容認しかねる。
「会長さん!ロイドさん!僕は男ですし…そんな…服を着るだけならともかく、なんで、一時的とはいえ、身体まで改造するんですか!それは、ルルーシュの役目でしょう!」
必死になっているとはいえ…スザクらしくない発言だ。
「スザク…そうやってお前はまた、俺を裏切るのか…」
ルルーシュ自身、親友の裏切りな発言には敏く反応する。
大体、この発言…本編でシャルル皇帝に売られた時よりも、シュナイゼルの罠にまんまと引っ掛かった時よりも遥かにムカつく。
「ルルーシュはいいの!ルルーシュは男でいる事の方が不自然なんだから…。僕みたいにいかにも『男!』な奴の肉体改造までしてそんな衣装を着せるなんて…間違ってるよ…。そう…間違っているのは僕じゃない!ここで僕を肉体改造しようとしているロイドさんたちの方だ!」
本編でのルルーシュの番宣CMのセリフをパクッて…もとい、借りてきてのスザクの主張だが…
そんなもの、ミレイの前では無力に等しい…
それに、スザクは解っているのだろうか…
その発言…ルルーシュに思いっきり喧嘩を売っていると云う事を…
「スザク?ここで逃げたら…この場で生徒会メンバーとロイド伯爵全員でルルーシュを犯すわよ?」
普通に聞けばトンデモ発言だ。
冗談だと解ってはいても…スザクの中に芽生える…奇妙な良心の呵責…
それに、ルルーシュを犯していいのはスザクだけだという自負がそれまで珍しく減らず口を叩いていたスザクの口を閉じさせる。
どこか間違っているスザクの良心の呵責ではあるが…
結局、リヴァルとシャーリーが謝りながらルルーシュを生徒会室のテーブルの上に縛りつけて行く様…そしてその先、ルルーシュの制服のボタンを一つずつ外して行く姿を見て、スザクは涙をのんだ…
「その代わり…肉体改造後のルルーシュ…1日は僕が独占しますから…」
この時のルルーシュの心境は…
―――貴様ら…俺をなんだと思っている!!!!
ここで、スザクとミレイ達の商談は設立した。
そこにルルーシュの意思がまったく加味されていない事は云うまでもないが…
そして…ルルーシュは肉体改造の為に麻酔をかけられ…薄れゆく意識の中で…
―――俺はもう一度…この世界に反逆してやる…
そう、固く決意をしていた…
出来る出来ないはともかく、思う事は自由だ…

 そして、数時間後…二人は時限立法な肉体改造を施された。(ここで『時限立法』と云う言葉の使い方を間違っていると突っ込んだら…暴れちゃうぞ♪ by.リナ=イバース)
目を覚まし、ネグリジェ姿で二人が出てきた。
中身は改造していないので、男のままだ。
ルルーシュもスザクも、お互いを見て、思わず顔を赤くするが…
これは、男性故なのか、相手がルルーシュ、スザクであるからなのか…今のところはどうでもいい…
ここで、ちゃんと、王道なアンミラウェイトレスになって頂かない事には話にならない。
ルルーシュは色白な細身の美少女となり、スザクはいかにもスポーツ少女な健康的な肉体美となっている。
ネグリジェの状態である分、色っぽさは倍増しているのだが…
彼らを見た生徒会メンバーや実際に処置を施したロイドが一瞬、動きを止めてしまう。
「よかった…妄想世界でしか許されない肉体改造までした甲斐があったわ…」
ミレイがそう一言口にすると、その場の空気が流れだす。
ミレイの言葉に…ルルーシュは並々ならぬ怒りをオーラとし、スザクは『自分まで改造されてなければそのままルルーシュを拉致してまったりと引きこもりしていたのになぁ…』などと考えている。
ここまで来てしまっているので、正直、時限立法と云うのなら、それはそれで仕方ない。
出来る事なら、男の肉体で今のルルーシュと接したかった…
それがスザクのこの上ない本音だ。
しかし、これで、スザクは思った。
―――あのバカ腐女子をうまく脅せばこの設定でルルーシュを堪能できる…
ルルーシュが聞いたら怒髪天を突かれそうだが…
しかし、ルルーシュの非力さではそんなものへでもない。
ちなみに、『あのバカ腐女子』とは、和泉綾の事である。(一応説明を入れておく)
元々非力なルルーシュが女になって、スザクが男になってしまえば…ルルーシュを抑え込む事など赤子の手を捻る様なものだ。
そんな事を考えながら…女の服と云うものを切ると云う事に対して、『単なるウケ狙い』と云う思想の働いているスザクはとりあえず素直に着替えるのだが…
改造された身体に関しては、素直に好奇心を抱いてしまう。
ついうっかりマジマジと見てしまうが…
基本的にそうした性的欲求をルルーシュにしか求めていないスザクは、何だか、標本を見ている…そんな気分であった。
一応、これまでに色々な形でいろんな男の女性に対する好みとか、エロい系の話は聞いてきたが…
客観的に見て、多分、スザクが女の身体にされたと云うその実物を見ると…
―――多分、胸の大きさとかは好みの男とかもいるんだろうな…二度とならないけど…
と云う感想を、非常に客観的に頭の中で考えていた。
しかし…ついたてを立てただけの簡易更衣室の隣では…ルルーシュの雄たけびとも云えるような叫び声がこだましている。
さっきから、『イヤだ!』『放せ!』という叫び声が聞こえてくる。
スザクにそう云ったお目付け役がいなかったのは…これまで、男女逆転祭りにしても、ロスカラの学園祭にしても女装を楽しんでいるフシがあったからだろう。

 やがて、ルルーシュの叫び声が途切れて…
スザクもそのついたての中から出て来る事を許された。
すると…生徒会室にどよめきが広がった。
「へぇ…あんな筋肉しかないスザクでも、ちゃんと女の身体になると見れるもんなのね…」
「ルル…そのまま女の子になっちゃえばいいのに…」
「ルルーシュにもスザクにも…色んな意味でファンが付きそう…」
「ルルーシュ…暴れまくったから…なんだか…強姦されそうになって命からがら逃げてきたみたいだぞ…」
「これは♪これは♪アッシュフォード学園新名物の誕生かしら♪」
「いやぁ…SEでは適当な事云ってみたけれど…やれば出来るもんだねぇ…」
それぞれの感想だが…
最後のロイドの言葉は聞き捨てならないが…
しかし、そんなロイドに抗議する暇は与えられなかった。
「ちなみに…ルルーシュ殿下とスザク君の処置って、ちょっと違う方法なんだよねぇ…。ルルーシュ殿下は気を付けて下さいね?水を被ると女の子に…お湯を被ると男の子になっちゃいますから…♪」
一人、楽しそうに語るロイドだったが…
何?その、20年以上前に流行ったアニメネタは…?
「え?そんなことできるんですか?ロイド伯爵…」
「ちょっと…楽しそうだからやってみたんだけど…。一応、殿下が眠っている時に実証済みですからぁ…♪ちなみに、ルルーシュ殿下のその特異体質は時限立法じゃありませんから…あしからず…」
ルルーシュは足元から崩れ去るような感覚に襲われて…ふらぁぁぁぁっと、倒れそうになったところを隣にいたスザクに支えられる。
「ロイドさん…僕にはそんな悪戯…していませんよね?」
「そりゃ…スザク君は僕の大切なデヴァイサーだからね…。あ、でも、女の子になった時のデータも取りたいから…♪また、実験に付き合ってね♪」
にこやかにとんでもない事を云っている。
ロイドの中である内緒にしている事があった。
ルルーシュにこんな特異体質の処置を施すように命令した黒幕が…他にいると云う事を…
女性の身体となったルルーシュもスザクも…胸元に特徴のあるウェイトレスの衣装がとてもよく似合っていた。
多分、普通にファミレスのこんな女の子がいたらファンが増殖して、そのファミレスの売り上げは倍増間違いないだろう。
「ねぇ…ミレイちゃん…スザクも1週間はこのままなんでしょう?」
ニーナがそんな事を云って、今度はスザクが驚いた顔をする。
「一週間???」
「うん♪生徒会の予算づくりの為に協力して貰うから♪ちなみに、時間が来るまで戻れないし、戻す方法もないからねぇ♪」
スザクの驚きの声にミレイが軽やかに答える。
ロイドも『ごめんね♪』と云いながら、まったくもって反省していない様子だ。
何と引き換えにミレイと取引したかは知らないが…
あとで、セシルにチクッて問いただすしかない…。
流石にこう云ったお笑いイベントには抵抗のないスザクでも…流石にこれは…
「さぁ…ルルーシュ、スザク…これから生徒会の予算の為にたくさん働いて貰うわよ!その為に結構な出資をしているんだから…」
ミレイの一言に…
一体何を出資したのか…と…尋ねる事はおろか者のする事だろうか?
女性の身体にされてしまった…しかもルルーシュはレトロアニメのネタの使い回し…
「とりあえず…アンナミラーズレストランのオリジナルウェイトレスの衣装を着ているところを撮影して…ミレイさんの云った通りのカッコをしなさい!でないと…ナナリーを泣かせるわよ?ナナリー…とっても楽しみにしているみたいだったから…」
ここでは…ナナリーの目が見える。
本編では最後の最後まで見る事の出来なかった彼女だが…
これは…何の拷問だ???
ルルーシュは心の中で叫び…スザクは…一週間…どうやってお風呂とトイレに行こうかと真剣に悩んでいた。

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