※『コードギアス反逆のルルーシュR2 Sound Episode 6』の登場人物たち+αが、最初は内容について話をしていますが、話している内に話が脱線して行って…最後は…。まぁ、和泉綾の描いている作品ですので、あまり真剣に読まないでください。
この度…この場に集まりしメンバーは…
ルルーシュ=ランペルージ
枢木スザク
ロロ=ランペルージ
シュナイゼル=エル=ブリタニア
ジノ=ヴァインベルグ
ロイド=アスプルンド
ジェレミア=ゴッドバルト
黎 星刻
そして、傍観者兼シュナイゼルのお守り&ストッパー役 カノン=マルディーニ
の以上9名…。
彼らは『コードギアス反逆のルルーシュR2』『Sound Episode6』『るるる 合コン ラプソディー』の出演者の面々…
ここでは、かの、CDドラマの内容の感想と批評を行っている。
「異母兄上…あの…『黄金のケ(・)に覆われし姫君』とは…どんな方なのです?」
ルルーシュが妙なセリフを吐いたシュナイゼルに尋ねる。
恐らく、このメンツの中で、立場的、心情的にそんなことを平然と尋ねられるのは、ルルーシュとロイドくらいだろう。
しかし、この場にいるメンバーたちはきっと、誰もが知りたいと思っていた事だろう…
「これは…この詩集から引用したものだ…」
そう云いながら、シュナイゼルはルルーシュに一冊の詩集を渡す。
どうやら、第88代ブリタニア皇帝付きの文官が残したものらしい…
中を見てみると…
「なんだか…変わった詩が多いですね…。まるで、お笑いコンビのネタ帳みたい…」
ルルーシュの横からその詩集を覗き込みながらロロが云った。
そして、反対の隣からその詩集を見ていたスザクが呆れたように口を出した。
「どう見ても、お笑いコントのネタ帳じゃないか…。なんだよ…この、あり得ない発言の数々…。っていうか、ブリタニアってどういう国なの?」
確かに…公文書にお笑いコントのネタが書き記されている国は珍しいだろう。
10代も前の皇帝の時代のものであるから、確かに現代でウケるネタであるかどうかは別にして…どんなタイミングでボケてツッコむか…詳細に記されている。
「異母兄上…これは…誰から渡されたんですか?」
ルルーシュがやや、顔を引きつらせながらシュナイゼルに尋ねる。
「あ、それはロイドとカノンだよ…。今回のSound Episodeではセリフも多いし、私がこれまで云った事のないセリフや扱った事ないネタだと云う事で…」
シュナイゼルはあからさまに『世間知らずです』と豪語する様な一言をかましている。
「それで…あれだけのお下劣発言…知らぬとは恐ろしい…」
星刻がこの上ない素直な感想を…まるで、シュナイゼルを憐れむような表情で零した。
そして、場の雰囲気は…どうしたらいいのだろうか…という空気に包まれる。
その状況を打破しようと…ゲスト兼シュナイゼルの世話役で参加していたカノンが口を開いた。
「みなさん!シュナイゼル殿下はみなさんと違って、そんな俗世間の事に関わっていられるようなお方ではなかったのです!有能故に…そんな低俗は話について行かなかっただけなのです!」
一応力説しては見せるが、カノンに対する周囲の視線は…少々冷めている。
「何言っちゃってるの?僕と一緒にあの本をシュナイゼル殿下に渡せば面白い事になる…そう云ってたのは君でしょ?マルディーニ伯爵?」
ロイドがにやにやしながらカノンを見て言い放つ。
元々、きちんとした台本も渡されず、ただ、『このメンバーで合コンをやれと云う!』という、無茶振りが来たのだから…
その結果が、現在の出演者+αの座談会となっている訳なのだ。
「では…カノン、ロイド…君たちは私がそうやって、世のコードギアスファンに『変なやつ』と云うレッテルを張られるように仕向けたのかね?」
シュナイゼルが…いつものように、穏やかに話しているが…それでも背中から放たれているオーラは何か…違うものを感じていて…
「大当たりぃぃぃ♪コードギアス本編では僕やマルディーニ伯爵だけが変人…むご…」
ロイドの景気のいい回答にカノンが焦りの色を見せて両手で力いっぱいロイドの口をふさいだ。
しかし、ロイドの最初の景気のいい一声でシュナイゼルの表情はすっかり変わってしまっていた。
その場の空気の危うさにルルーシュが立ち上がる。
「あ…異母兄上…別に…ロイドたちだって…悪気があって…」
ルルーシュがそこまで云った時、まるで、火に油を注ぐかのようにある人物が口を出す。
「マルディーニ伯爵はどうか知りませぬが…ロイドは絶対にわざとですよ…ルルーシュ陛下…」
この期に及んで、ルルーシュが必死にシュナイゼルを止めようとしている時に水を差して、挙句の果てに『陛下』と呼ぶこの男にルルーシュは殺気を抱く。
「シュ…シュナイゼル殿下…?」
コードギアス本編では一度も見た事のないようなシュナイゼルの雰囲気に…ジノはどもりながらシュナイゼルの名を呼んだ。
そして…シュナイゼルは…口を開くと同時に…カノンが絶対にこれまでに許さなかった彼のイメージ破壊を…シュナイゼル自らしたのだった。
シュナイゼルは全力でシュナイゼルを抑えようとするルルーシュにふっと微笑みかけて、自分の身体からルルーシュを引き剥がす。
「あ…異母兄上…?」
シュナイゼルの行動に…その場がシーンと静まり返る。
「カノン…ロイド…お前たちは私に言ったな?あの詩集のセリフを一言いえば…ルルーシュは私にすっかりメロメロになり…枢木スザクから取り戻せると…」
これまでに見た事ないようなシュナイゼルの据わった目に一同…息をのむ。
その場にいる人物たちの思いは様々だ。
―――僕からルルーシュを?あんなお笑いコントネタでルルーシュを僕から奪い去れると思ってたのか…シュナイゼル殿下は…(By.スザク)
―――兄さんは僕だけの兄さんだ!枢木卿は兄さんを裏切って捨てた時点で、枢木卿に兄さんに触れる資格はない!あの王様ゲームは…くっそ…僕のミスだ…(By.ロロ)
―――コードギアス本編から離れればブリタニアとは平和いい国じゃないか…。中華連邦など…大宦官どもに押し付けて、私は天子様とともに移住するか…(By.星刻)
―――そうか…スザクはキャラクターが天然だが…ルルーシュ先輩は天然フェロモンなのか…。確かに…色気と艶っぽさはコードギアス1…(By.ジノ)
―――シュナイゼル殿下まで魅了するとは…流石は我が君…ルルーシュ様…。このジェレミア=ゴッドバルト…終世の誇りでございます…陛下…(By.ジェレミア)
―――あっはぁ…惚れ薬と性転換薬を作ったら…シュナイゼル殿下に高く売れるかなぁ…。そろそろ、次のナイトメア…作りたいんだけどなぁ…ランスロットは、本編で木端微塵にされちゃったしぃ…(By.ロイド)
―――(ロイドの方を見ながら)また…余計な事を考えているわね…ロイド…。これ以上私のシュナイゼル殿下を壊さないでほしいわ…(By.カノン)
―――異母兄上…カノンじゃありませんが…俺の中の異母兄上のイメージまでぶち壊さないで下さい…。これ以上、変態家族はいりません!(By.ルルーシュ)
まぁ…向いている方向はてんでバラバラではあるが、シュナイゼルの一言にそれぞれの中でそれぞれの想いを抱いているらしい。
特に、ルルーシュに懸想しているメンバーたち…殆ど一触即発の様に彼らの間に火花を散らせている状態だ。
そして、そうでない者たちは、どうでもいいのか、悪いのか…何とも判断に困る事を考えている。
とにかく、シュナイゼルの発言で、こうも、彼らの脳内ワールドが賑やかになると云う事は、執筆者としてはこれ以上ありがたい事はないのだが…誰をチョイスしようか迷うのが難点である。
とりあえず、ルルーシュを巡って花火大会の様に火花を散らせているシュナイゼル、スザク、ロロ…そして、ルルーシュの忠義の為に戦い(?)の行く末を案じているジェレミアと、不本意ながら話の中心に据えられてしまったルルーシュが参戦している。
他の者たちは…ロイドは、この戦いの行く末がどの方向へ行くかによって、これからのナイトメアの開発費が捻出出来るか決まって来る。(スザクやロロでは意味がない)
星刻は、女子の好みそうなこの話題を祖国で待つ天子の為に全てを吸収しようとしている。
ジノは、やや乗り遅れた感があるが…別にここで参戦しなくたってここでの勝者(何の?)がルルーシュの相手となる訳ではない…。
今のところは漁夫の利を狙って静観する事にした。
カノンは…敬愛するシュナイゼルがこれ以上壊れて行かないようにハラハラしている。
そして、本当ならルルーシュにシュナイゼルを取られてしまうかもしれないという、そんな不安にも駆られるのだが…今では…
―――ルルーシュ殿下…今となっては、あなた様だけが頼りです。シュナイゼル殿下を壊さずに私の元へお返しください…
などと考えていた。
人の考える事…そりゃあ、もう、自分勝手なものである。
スザクとしては、真剣に合コンに参加していたルルーシュに対しての報復(つまりお仕置き)がまだ済んでいなかったし、ゲームとは云え、自分の愚かな行動によって、そうでなくとも気に入らないスザクがルルーシュとロロの目の前でキスシーンを繰り広げたのだ。
そして、二次創作の世界ではすっかりスザルルが王道となってしまっている現実に不満を持つシュナイゼル…。
―――ルルーシュは生まれた時から私のものだ!
と信じて疑っていないシュナイゼルにしてみれば、今回、ふざけた自分の側近たちを信じ切った自分の愚かさが悔やまれる。(ジェレミアの勘違い忠義も困ったものだが)
「あの時…ルルーシュが『ギアス』使いまくりでヘタレてくれて良かったよね…」
「あ、それは僕も同感です…。兄さんの場合、黙っていても老若男女問わず、襲われる可能性が高いですから…」
どうもこの辺はライバル…というか、普通に邪魔な相手でも意見はあったらしい。
確かに…あの時に、お笑いではない『殺し文句』がルルーシュの口から飛び出したら、あの場にいた全員が、ルルーシュに襲い掛かっていたに違いない。
『ギアス』頼りのヘタレでいてくれた事にスザクもロロも心から感謝する。
「私にとっては…どんなルルーシュもルルーシュ…。私の最も愛するべき異母弟である事に違いはない…。本当なら脚本の大河●一楼を呼びだして脚本を書き換えて欲しかったがね…」
シュナイゼルの一言に、傍観者たちも注目する。
「え?どんな風にですか?」
ジノの質問にシュナイゼルはふっと微笑みながら…でも至って真面目に答えた。
「あのまま、フィーリングカップルをして…私がルルーシュをそのままお持ち帰り…」
「「「却下です!!」」」
ルルーシュ、スザク、ロロの3人の声がその場でハモる。
しかし、本当は傍観者だったロイドがまたまた爆弾を投げ込む。
「ルルーシュ陛下をお持ち帰りして…どうするつもりだったんですかぁ?シュナイゼル殿下…♪」
ロイドの言葉に…ルルーシュは『え?』と云う表情を見せ、スザクとロロとカノンは『いらんこと言うな!変態メガネ!』とロイドを睨みつける。
まぁ、そんな睨み程度で怯むようなロイドではない事は、全員重々承知の上なのだが…
ただ、シュナイゼルがそこで真面目に答えてしまうからこれまた、話が大きくなる。
「それは勿論…女性コードギアスファンに喜んで貰えるよう、全力で努力するつもりだ…。ルルーシュのあられもない姿を皆は待ち望んでいるのであろう?」(ある意味正しいですが)
穏やかな表情に、穏やかな口調…コードギアス本編ではすっかり『何にも執着しないキャラ』にされていたが…実際にはこれほど煩悩に満ちた…ある意味、好感持てる相手であった。
「ロイド!これ以上、シュナイゼル殿下のイメージをぶち壊すような真似をしたらこの私が許さなくてよ?」
すっかりオネェキャラになり、手のつけようのなくなったカノン…
そこへ、ジノと星刻がある本をカノンに手渡す。
「まぁまぁ、マルディーニ伯爵…これを見れば、あなたも考えが変わるかもしれませんよ?」
ジノがそう云いながら手渡す。
カノンは訝しげにその本をじっと見ているが…星刻がさらに付け加える。
「意外と、貴殿もハマるかも知れんぞ?物は試しだ…読んでみればいい…」
傍観者たちがすっかり、この話題でカノンに対して火に油を注いでいる。
そして、その本をぱらぱらとめくっている内に…
「え???」
周囲の者が驚く事になる。
ジノと星刻はまた怒られる事を予想していたのだが…カノンが熱心に見入っているのだ。
そして、最後のページまで辿りつく頃には、カノンは真っ赤になっていたのだが…それでも、『コホン』と咳払いをして、向き直る。
「シュナイゼル殿下…私が御手伝いします。ルルーシュ殿下をお持ち帰りください…。ただし、監視カメラのデータは私が回収させて頂きます…」
カノンの言葉にシュナイゼルの表情は綻び、ルルーシュは顔を引きつらせ、スザクとロロはカノンに飛びかからんばかりの形相だ。
ロイドはこれでナイトメアの開発費が手に入りそうだと喜び、ジノと星刻は面白いネタを拾ったと楽しそうにしている。
で、ジェレミアだが…シュナイゼルの前に跪いている。
「我が主…ルルーシュ陛下はなかなかの奥手でございますゆえ…なにとぞ、お優しくして差し上げて下さい…」
ジェレミアの言葉にルルーシュがさらに引きつる。
「ルルーシュ…君は本当にいい部下を持ったね…。大丈夫だ…ジェレミア…。ルルーシュは私の宝…決して傷つけたりはしない…」
「はっ…なにとぞよろしくお願いします…。ルルーシュ様…これもこのジェレミアの忠義の証に御座います…」
ジェレミアの言葉にルルーシュはすっかり凍りつく。
ルルーシュは心の中で『誰か…異母兄上の暴走を止めてくれ!全力で止めてくれ!』と叫んでいるが、あまりの展開の速さにスザクでさえついていけない様子で、呆然としている。
「ま…待って下さい…異母兄上…一体俺に何を…」
「さっきも言っただろう?女性コードギアスファンの喜ぶ事だよ…さぁ、ダモクレスの私の寝室へ行こう!」
すっかりキャラクターが解放されてしまった神聖ブリタニア帝国宰相…シュナイゼル=エル=ブリタニアは…意外にも無敵だった…
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