花粉症…hay fever / pollen allergy / pollen disease, 医 pollinosis または pollenosis )とはI型アレルギー(いちがた−)に分類される疾患の一つ。
植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴的な症候群のことである。
枯草熱(こそうねつ)とも言われる。
現在の日本ではスギ花粉によるものが大多数であるが、ここでは花粉症の一般記事を記載しスギ花粉症の固有の問題でまとめられるものは該当記事にまとめることにした。
参照のこと。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどはアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)の症状であり、花粉の飛散期に一致して症状がおこるため、季節性アレルギー性鼻炎(対:通年性アレルギー性鼻炎)に分類され、その代表的なものとなっている。
目の痒みや流涙などはアレルギー性結膜炎の症状であり、鼻炎同様に季節性アレルギー性結膜炎に分類される。広義には花粉によるアレルギー症状全てを指すこともあるが、一般的には上記のように鼻および目症状を主訴とするものを一般的に呼ぶことがある。
また、狭義には鼻症状のみを指し、目症状は結膜花粉症(または花粉性結膜炎)、皮膚症状は花粉症皮膚炎または花粉皮膚炎)、喘息の症状は花粉喘息、喉の不快感などの症状はアレルギー性咽喉頭炎などと別に呼ぶことがある。(Wikipediaより)
この時期、『黒の騎士団』『ブリタニア軍』問わず…アレルギー症状に悩まされる者が多くなる。
そして、ゴミ箱にはティッシュや使い捨てマスク、目薬や鼻炎薬の空いたケースが山ほど捨てられている。
こんな中でも、対ブリタニアに対する攻撃をやめようとしない『黒の騎士団』も良く頑張ると思うが…
アレルギーとは体力とか、体の丈夫さでかかるとかかからないという問題でもない。
健康で、風邪もひかないような人間がこの時期になるとマスクしている事はよくある話だ。
そして、いつ倒れてもおかしくないような人間が平気な顔をしている事も良くある話だ。
そして…完全に貧弱設定だった『ゼロ』こと、ルルーシュ=ヴィ=ブリタニアは後者に当たる。
体力大魔王の称号を与えられた枢木スザクは…この時期が大嫌いだったし、エリア11ではなく、海外遠征のときにはそれほど苦労する事もなかったが…今年はエリア11で任務となっている。
つまり…この時期に飛び交う花粉たちの餌食になっているのだ。
そうなってしまうと、『白き死神』と呼ばれる彼の力も半分くらいしか発揮できなくなる。
そして、普段は目立たないが花粉症なんてへっちゃらな下級兵たちの活躍の場が増えるのだ。
味方が花粉症で苦しんでいるとなると、当然、敵にも花粉症で苦しんでいるやつらがいると云う事で…
ちなみに、エリア11に赴任しているナイトオブラウンズ達は全員、スギ花粉とヒノキ花粉にやられている。
指揮官クラスがこうなってしまうと、命令系統がズタズタになってしまう。
これなら…『黒の騎士団』の『ゼロ』は花粉症に悩まされていないから問題はない…と思いきや…
『黒の騎士団』のエース、紅月カレンが重度の花粉症であった。
そして、最前線ではナイトメア達の指揮にあたっている藤堂も…数年前から重度の花粉症となり、前線では使い物にならなくなっている。
しかし…スザクもジノもアーニャも動けない今、こんなチャンスは滅多にないのだ。
「おい!ゼロ…俺は平気だぞ…」
そう『ゼロ』に声をかけて来たのが玉城真一郎…自称『黒の騎士団』幹部である。
こいつの場合、前線で指揮を執らせたら、普通に自分の小隊を全滅させてくるだろう。
『ゼロ』にはその確信があった。
だから、とりあえず、蜃気楼で自分でのこのこ出て行っているのだが…
向こうも大変そうで…とりあえず、雑魚は片っ端から片付くのだが…これではただ、無駄に人殺しをしているようでならない。
もっとも、テロリストやっている時点で立派な人殺しなのであるが…
そんな事を云えば、軍人だって人殺しだ。
国の為だろうが、なんだろうが、やってる事はテロリストと大差ない。
一応、軍人とは公に認められた立場なので、綺麗事をたくさん並べて貰えるのだが、自分の利益の為、もしくは自分の国の利益の為、人を殺していることには変わりない。
話はそれたが、戦争をやっているのだから、相手の弱点を狙うのは当たり前…
しかし、『黒の騎士団』としても、エースや前線での指揮官を欠いてしまっているので、本当の意味で相手の弱点を狙っているのかよく解らない。
そんな事を考えていると…
「そこまでだ!ハックション…『ゼロ』…ズル…自分が…ハックション…ハックション…」
海外遠征でその名をとどろかせた『白き死神』も花粉には勝てないらしい…
普段、健康優良児な分、時々訪れる隊長の変調には非常に弱い。
しかし、その責任感の強さから、のこのこと前線に出てきたが…
一応、『黒の騎士団』もカレンや藤堂は前線に出ると云っていたのだが…
『的にされるだけだ…どうせ、スザクも重度の花粉症で、登場の時に私を止めるべくオープンチャンネルを開いても、くしゃみと鼻水を吸い上げる音が殆どだ…』
ここ最近のランスロットのオープンチャンネルから聞こえてくる声には確かにルルーシュをブリタニア皇帝に売り払った人非人ではあるが、多少の同情を抱いてしまっても罪ではないだろう…と、誰に云っているのか解らない思いを抱いてしまう。
そして、『黒の騎士団』の『花粉症なんてなんのその!』組と『ブリタニア軍』の『花粉症って何?』組が対峙している。
人間離れした連中が花粉症でどうにもならない状態なので、基本的には中くらいから『ゼロ』レベルのナイトメアのパイロットがナイトメアを駆って戦っているのだが…
「ガウェインが無事だったら、C.C.にハドロン砲を撃たせて一発でケリがついたのになぁ…」
ついうっかりオープンチャンネルのまま呟いてしまう。
しかし、そんな事を聞かされても多くの花粉症の患者たちはそれどころではない。
『ゼ…ゼロ…っくしゅん…申し訳ありま…ハックシュ…こうづ…っくしゅん、っくしゅん…』
「カレン…お前は下がっていろ…そんな状態では…玉城にも勝てんぞ…」
『おい!ゼロ!喧嘩売ってんのか?』
「なら…一度くらい、まっとうにカレンと戦って勝ってみろ…」
自分でも無茶を云うと思ったが…この状況の中、恐らく、カレンはくしゃみやら涙やら鼻水やらでイライラしているカレンに喧嘩を売るだけの度胸はないだろう…
ただ、そう云った行為をして見る馬鹿ではあったが…
「とりあえず…今なら、相手の指揮官たちも花粉症のお陰で動きも緩慢だ…一気に叩くぞ!」
その指示の下、『黒の騎士団』の『花粉症なんてへっちゃら♪元気!』組達がブリタニア軍に対して総攻撃をかける。
確かに、スザクの戦術は脅威であるが、半減してしまえば、ルルーシュの指揮で簡単に倒せる相手だ。
どうやら、『ブリタニア軍』の指揮官クラスの連中…エリア11のスギ花粉の脅威にすっかりやられているらしく…また、事前の予防対策を施していない。
また、花粉症と云うのは、前の年までその症状が出ていなくても、ある時突然その症状を発揮すると云う特徴があるらしい。
つまり、ずっとエリア11で暮らしていたスザクが事前対策を施していないと云う事は、今年、初めてその症状に悩まされているのだろう。
―――そう云えば、あいつの鼻声なんて聞いた事なかったな…枢木神社にいた時も…
9月の終わりに来日して、翌年の9月にブリタニアとの戦争で敗戦している。
まして、枢木神社の周辺は様々な木が生えていた。
あの時に見ていた木々が何であるのかは、もはや覚えちゃいないが、あの周辺でもスギ花粉やヒノキ花粉は飛んでいただろう…
今のところ…ルルーシュは花粉症になった様子はない。
話しに聞いていると、ある日突然なるだの、誰でもなる代物だの…色々言われているが…
しかし、スザクが今年初めて花粉症の症状が出たと云うのであれば、来年はこの時期に向けて準備を始めてしまうかもしれない。
「玉城!お前にランスロットを任せる!絶対に倒せ!」
ゼロのその一言に勘違いな元気が出てきた玉城は
『よっしゃぁぁぁ…任せておけ!』
ルルーシュにして見れば、ここで玉城がランスロットに倒されても、死にはしないだろう…
その予測がついているから普通なら、躊躇してしまうようなこんな命令も下してみる。
『ふん…自分もなめられたものだな…ハックション…『ゼロ』…いくら花粉症の所為でハックシュ…実力の半分しか出せなくても…ハックション…こんな三下…自分の相手になるものか!』
そこまで頑張って言ってのけると、スザクはランスロットのコックピットの中で豪快に鼻をかんでいる音がしている。
「せめて…オープンチャンネルを切る余裕はないのか…」
自分をブリタニア皇帝に売り払った憎むべき相手とは云え…こんな状態に陥っているのを見るのは…少し辛いかも…と…うっかり思ってしまった。
「いけないな…これは俺の甘さだ…」
そんな事を呟いている内に…流石に玉城程度では花粉症ごときで負ける筈のないルルーシュの幼馴染はカレン同様、イライラしていたのか、玉城の乗ったナイトメアを一刀両断した。
あれほど人を殺す事を嫌っていたスザクだったが…それこそ情け容赦なく…
「ふぅむ…スザクが花粉症でも、玉城では相手にならないか…。あんまり役に立たなそうだが…データとして取っておくか…」
流石に普段貧弱設定でも、今現在、花粉症に苦しんでいないルルーシュはしっかりと頭が回るし、戦略を練る事も出来る。
スザクが玉城のナイトメアを一刀両断すると、再びスギ花粉の呪いに苦しめられ始めた。
「カレンが花粉症じゃなければ、そのまま生け捕りもできただろうに…」
さっきから『もしも』の話ばかりである。
スギ花粉の花粉症の脅威は…それほどまでに凄いという事だ。
これを実践で使えれば…とも思うが…もし、ルルーシュが花粉症でないという大前提がなければだめだ。
それに、もし、シュナイゼルやコーネリアが『花粉症なんてへっちゃら♪』組であった場合も困る。
少なくとも、あの二人にタグを組まれては、ラウンズが全滅でもルルーシュ一人で叶う相手ではない。
それに、(和泉綾ワールドでの)シュナイゼルの性質を考えた時には…ルルーシュはそのまま生け捕りにされて、シュナイゼルのおもちゃにされてしまう。
「それは…絶対に嫌だ…」
そんなとき…蜃気楼の横を輻射波動の光が突っ切って行った。
流石にスザクも鼻をかんでいる最中ではよけきれないだろう。
しかし…彼の野生の勘は…そして、ルルーシュのかけた(愛の)『生きろ!』ギアスはこんな攻撃などもろともしないのだ。
その凄まじいランスロットへの攻撃の光はランスロットの右肩をかすめるのだが…
それでも、あの程度なら死にはしないだろう。
『ちっ…コックピット直撃コースだったのに!』
悔しそうなカレンの声が聞こえてくる。
花粉症の人間は昼も夜も関係なくくしゃみが出るし、鼻水が出ると言う。
時間によって、楽な時間もあるらしいが…花粉に対して過敏な場合にはもはや、時間など関係なく…時に眠れない事もあるらしい…
『ふっ…カレン…僕にその程度の攻撃…ハックシュ…ハックシュ…ハックシュ…』
よせばいいのに、また、何かを返そうとしてくしゃみに嵐に苦しんでいるのだ。
カレンはカレンで、さっき、スザクに悪態づいた時に思いっきり花粉を吸ってしまったらしく…くしゃみが止まらないらしい…
「こんなんじゃ、戦いにならないな…」
これが、ブリタニア軍だけの被害であるのなら…これほど都合のいい事はないのだが…
仕方なく、『ゼロ』は蜃気楼のオープンチャンネルを開いた。
『『黒の騎士団』全軍に告げる。戦線を維持しつつ、ゆっくり後退…。花粉症で使い物にならない者を優先!!』
全ての人間が一年中、花粉症でくしゃみして、目が痒くなって、鼻水が止まらなくなって、涙が出まくりだったら…
―――さぞや平和な世界だっただろうに…
それこそ、皇族だろうが平民だろうが…共通して苦しむ事になる。
軍人と云えば、それ相応に病気にしても、怪我にしても、一般人より優先される事が多い。
まして、これだけ戦況に影響を及ぼすのであればなおさらだ。
それでも、『黒の騎士団』も『ブリタニア軍』もこれだけ使い物にならないのだ。
今なら、ルルーシュの蜃気楼でスザクのランスロットを生け捕りに出来そうだという錯覚さえ起こしてしまう。
―――仕方ない…今日、クラブハウスに帰ったら、少しくらい優しくしてやるか…
ルルーシュは相手は命を狙っている敵だと云う事を忘れてしまっているのかと思うような事を考えてしまっていた。
そして…その日の夜は…お肌に優しいティッシュを買って、スザクの来訪を待ってやっていたのだった…
copyright:2008-2009
All rights reserved.和泉綾